top >米代川流域の歴史 > 造林杉の時代へ
上の階層へ戻る 前のページへ 次のページへ
 
 
米代川流域の歴史  

戦後に造林した杉が育ってくるのは、これから。
先人がのこした天然秋田杉の知恵に学んで
長伐期林業をめざすことだってできます!




 
 


 天然杉は伐り尽くしてしまいましたが、流域の山には、戦後から1万ha 造林時代にかけて植えられた、どこの産地にでもあるような「普通の造林杉」がまもなく40-50年生となり、伐期を迎えようとしています。普通の杉、しかも若い杉ですから、天然杉のような高価な天井板や75年生以上からとれるような芯去りの柱などはのぞめません。それでも、芯持ちの柱材ならば、取れます。

 もう天然杉がなくなったことを悔やんでばかりはいられません。大きな目で見て、今を造林杉への「転換期」ととらえ直してみてはどうでしょうか。天然杉の産地であったという伝統を活かすのであれば、今の造林杉を80年-100年以上の長伐期で育てていけば、半世紀先には、今までの大径木ならではの木取りによる製材も可能です。今はそのための大事なつなぎの時期なのです。

 今、山持ちは経営意欲を失い、いい材をこれから出していくために必要な手入れもできないでいますし、山林労働に携わる人たちも高齢化しており、次の世代が育っていません。転換期は概して苦しいもの。このトンネルをなんとか抜ければ、次の時代を迎えることはできます。山で木は育ってくれているのですから。
 





 一方、自然環境の破壊が最近大きな問題になっています。二酸化炭素の放出量の増加のせいで、地球温暖化がどんどん進行しています。化石燃料の浪費を抑えることもその対策として当然必要ですが、光合成で二酸化炭素を吸収し、樹幹として固定するというすばらしい働きをもった山は、この難問の解決を握るひとつの大事な鍵になっています。

 それ以外にも、山は地盤を守り、きれいな水、きれいな空気を作り出してくれています。「お金にならない」という理由で手入れを怠れば、山は荒れ、その結果として土壌はゆるみ、地くずれや鉄砲水がおき、人間があたりまえに健全な生活をしていくための基盤そのものが失われてしまいます。逆に、山をきちんと守っていけば、将来の子供たちが生きていける環境をのこしていくこともできます。
 





 秋田県では「木材活性化アクションプログラム」を発表しました。その中には「現状趨勢型」の見通しと「積極型」見通しとの二つが併記されています。「今までの方向性のままいけば未来はないのは明らか。発想を新たにしていけば道が開けるかもしれない」という見解のあらわれでしょう。そしてその内容には、 「たくさん伐って、どんどん売ればいい」というかつての価値基準に乗っ取った「現状趨勢型」とはまったくちがった発想の兆しがあります。
 
 
 
秋田県 木材活性化アクションプログラムより
 「積極型」見通しを実現させるためのプログラム
1

公共建築の木造化

2
公共土木事業での木材利用促進
3
伝統的構法による秋田杉の住宅供給
4
林材業のありかたについてのの流域全体での合意システムの形成
5
製材所の生産体制整備のためのコンサルティング
6
樹皮・枝・残材を利用した木質エネルギーの促進





 現状を、何とかしていく道は、今までのいわゆる林材業界とはとちがったものの見方が必要。そんなに儲からなくても、きちんと地域経済が動き、自然と共生していきていける道を探そう。モクネット運動は15年以上前に、そんな勘と手探りで始まった運動です。その背景となっている現状認識と将来への青写真、今モクネットがしている運動を知ってもらいたい、ということで作ったのがこのWebサイトです。ともに地域や流域、自然環境などについて考えていくきっかけにしていただければ、幸いです。
・モクネットで考えている未来構想についてはこちら
 
 
 
 
 
0: top 1: 今、山はどうなっているの? | 2: 二ツ井再発見 | 3: 米代川流域の歴史
4: いのちはめぐる | 5: 未来への構想 | 6: そしてモクネット

(c)モクネット事業協同組合   最終更新日:2001.03.31
上の階層へ戻る 前のページへ 次のページへ




造林杉の時代へ そして、今 営林署時代の終わり お国のために… 営林署と製材業の隆盛 天然杉の枯渇と低成長時代 高度経済成長のために… 乱伐の反省と留山制度 林業のはじまり 林業以前