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地元が語る二ツ井の今  


吉岡博司さん(吉岡林業社長)
 
 
  吉岡林業の吉岡社長
   
この方にお聞きしました

素材生産といって、育林や伐採の会社を経営されている吉岡さん。今の木材不振の打開策をうかがいました。

     
 

 
   材の値段はさがりっぱなしで、きついねえ。でもなんとか、がんばっているよ。来年からは今まで森林組合にしか出ていなかった間伐補助が民間の素材生産者にも出ることになった。当然のことだと思うよ。がんばって山を守る人に手厚くすることしかないんじゃないの、これからは。



 
 
秋田県産材の使い道の割合。なんといっても製材用が多い  
(秋田県林務部発行「秋田県森林・林業の概要」平成12年度版より)  
 材や木の値段がさがっている原因は、木が使われなくなっていることにある。木を使う、と言ったら、なんといっても住宅。ところが、最近の家見ても、木造ではあっても、木をあまり使ってないでしょう? 新建材や合板が多くって。

 
昔ながらの家には、木をたっぷり使う  
   



 
   住む人が「木の家じゃない方がいい」と思っているわけじゃないんだな、大工が木離れしているからなんだ、木の量が少ないのは。同じ木造でも、今の「在来構法」みたいに簡単にできちまうのと、昔ながらの建て方をする「伝統的構法」とでは、使う木の量が2倍〜3倍は違うっていうものね。

 「伝統的構法」には「木組」の技術が要るんだ。昔の大工はみんな棟梁に教わりながらそれができるようになっていったもんだが、それができないんじゃないの?最近の大工は。木はプレカットで刻まれたのが現場に入るし、木と木は金物でとめる、壁面は合板やボードばっかりっていう、組み立て式みたいな家しかできないのが多いよ。もっと勉強しないといけないんだよな。
 
昔ながらの木の家をつくるには、大工が、木組の通りに材を「刻む」前加工をする  
   
 昔と家づくりの仕方が変わったせいもあるんだな。昔は建て主が大工、材木屋、左官屋それぞれと折衝して支払いをしていたから、大工は純粋に手間の部分を受け取っていた。でも最近は大工が工事そのものを請け負うようなかっこうになっているから、自分の取り分を多く残すために木に使う金をおさえる、なるべく簡単にできるやり方でつくっちゃう。そんなことしてたら、そのうち住宅メーカーの方がきちんとしてるってことになって、自分の首締めちゃうんだけどねえ。


 
 

 高気密・高断熱でさえありゃいい、っていうような最近の家は、昔ながらの家と比べると住み心地がよくないね。風通しも悪いし、息苦しいし。そんな家が本当の家じゃないんだ、っていうことにこれから家を建てる人には気づいて欲しいよ。そういう意味じゃあ、このあいだモクネットでやった町営住宅はいいね。ああいうのができると、「木をたっぷり使った家がこんな風にしてできるんだ、だったらあれがいいな」っていうことになっていくと思うよ。そういうことをどんどん宣伝していった方がいい。

 秋田なんか、全国と比べればまだ木造率が高いんだから、その中身を、ほんとうに木をたっぷり使うような家に変えていくだけでも大分ちがうんじゃないの?


 
秋田県内の住宅着工戸数と、木造率。全国の木造率は50%以下なのと比べると、まだまだ木造が健在  
(秋田県林務部発行「秋田県森林・林業の概要」平成12年度版より)  

 





 
木の家を増やしてていくには、みんなで協力しないとね。
 もう天然杉に頼れなくなっているのに、林材業に関わっている人々の意識が変わらないんじゃあ、 この転換期は乗り切れない。ここを越えていくには、素材生産、製材、大工、設計事務所など、地元で林材業に関わるすべての業種が、いっしょになって話し合って解決を見いだしていくしかないと思いますよ。そういう話し合いを呼びかけるようなことこそ、町にしてもらわないとな。今の町はそういうことをしようとしてはいない。かといって、どっかの業種が言い出すような話じゃないから、町に「呼びかけてくれ」ってもちかけていかないとね。下からもちあげて、やってもらうんだっていいんだから。
 
 
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(c)モクネット事業協同組合   最終更新日:2001.03.31
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