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山仕事のしかた
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伐採量・需要・造林面積
恐慌〜戦争〜復興〜高度経済成長 低成長時代に突入 これからの課題
 
地元が語る二ツ井の今  


渡辺俊一さん(北秋田森林組合加工課長)
 
(続き)
    
   
この方にお聞きしました

渡辺さんの熱のこもったお話、1ページではとてもまとめきれませんでした!!
     
 


 
 

 今の山持ちが「ばかばかしい、もう木出すのも育てるのもやめた」ってなったらどうするよ。現に、二束三文で不動産会社に売るとこも出てきてるよ。町にもういない山持ちもいるからなあ。持ってても手かかるばっかりだから、って売っちゃうんだよな。櫛の歯が抜けるようにして、やめてく組合員がぽつぽつ出てきたもんな。もうやめたって人がた、だよ。造林した頃のじいさまはまだいるんだけど、家の代が変わっちゃってて「息子が決めることだから・・・」ってじいさまが残念そうに組合やめてくってケースも多いよ。

 日本の相続のシステムがまたよくねえんだよな。代替わりしてじいさまが死ぬ時に相続税かかるでしょ? 山に。まだ一銭の利益もあげていない山にさ。まあ、このへんじゃあ、ちっちゃい山持ちが多いから、そんなに大した額になんねえとしても、取られるんだもんな。イギリスあたりじゃ、 「立木一代課税」っていって、伐らずに相続したら、税金はかからない。長伐期林業で、樹齢の高い、いい木をつくろう、っていうことだったら、そうなっていかないとな。大蔵省は分かってないんだろうな、山のことなんてな。

 「もうじき伐期を迎える」っていうけどさ、このまま誰も山の木を伐ったり手入れしたりしたくないような情況が続けば、年数が経ったっていい木は出てこなくなるよ。そもそも、山から木を出してくる働き手もいなくなるんじゃねえの? 

 
このままでいって、将来、山から木を伐り出す人は残るのだろうか?  
(秋田県林務部発行「秋田県森林・林業の概要」平成12年度版より)  

 どんどん減ってるもんな。10年で半分だよ。うちの組合では相当がんばって、現場で働く若いのをとってて、平均年令を20代にまで下げたよ。 まーず、きびしいな。今がどん底、これからは変わっていく、って思わなきゃやってられないよ。そう信じてるけどね。実際、違う動きも出てきているし



 
 
間伐材を利用したログハウス  
   
 この1月にさ、製材所が14-22cmのランクの木、一立米を12000円以上じゃ買わないって言ったから「じゃ、売らね」って言って、ついに売らなかったよ。森林組合でなんとかすること考えるんだ。

 なんとかするっていってもなあ、むずかしいんだけどな、これが。今おれ、加工課課長っていって、まさにそれを考える係なんだよ、なんと。たいへんだぞ。

 どうするかって? 製材所に出しても金になんないような間伐材、利用してなんかできないか、ってことに取り組んでるよ。ログハウスセットとか犬小屋、ポストなんか作って、直接消費者に売ったりもしてるよ。

 
 
間伐材を利用した、公園や小学校で使う遊具、花台、椅子。
森林組合に加工班があって、商品開発から製作まで手がける。
 
   

 

 でもまあ、そんなんじゃたかがしれてるから、県にかけあって山留めとか護岸とか、土木の方で間伐材利用できないか、ってもちかけて実験したりもしてるよ。来年度からはいくつか実際にやるしね。なにもコンクリでやんなくったっていいようなとこまでガチガチにやってるでしょ、あれ、木でも間に合うところもあるもんな。柔よく剛を制す、って言うでしょ。かえって木は、災害が起きたときに変にがんばんないからいいっていう側面もあるんだよね。

 二ッ井あたりでも自然エネルギービジョンってはじまりそうだけど、バイオマス発電とか木質ペレットも本格的にはじまれば、樹皮や製材残材も使えるし、切り捨て間伐っていって山にそのまま捨ててきてるもんも利用できるようになるよな。
 


 
堰堤ダムの土留工事を、コンクリートでなく、間伐材で  
   



 
    自分のこと言えば、若い頃はさ、家を一軒一軒まわってさ「この裏山、造林したらいいべ。なんかのときに伐れば嫁入り支度、進学資金の足しぐらいにはなるべ」って勧めて、それまで薪取るための広葉樹の林だったところを杉林に変えてくってことしてたんだよな。天然秋田杉の枯渇が現実のことになってきた昭和45年頃から、県をあげてさかんに進めた「1万ha造林」の担当を組合に勤めはじまた時からずーっとやってたんだ。山奥に泊まりがけで行ってさ、どぶろくや漬け物出してもらいながら「じゃあ、杉、やってみるべか」なんてな。
 
(秋田県林務部 平成12年10月発行「秋田県林業統計(時系列版IV)」より)


 
  俺がこの仕事しはじめだった頃に造林してくれた山持ちに、どんだけ経費がかかってきたか、計算してみたよ。

(北秋田森林組合平成13年2月提供資料より)
 
 ざっと60万以上はかかっているわけよ。国の補助をもらってもな。間伐材でも市場に出せるようになる30年生ぐらいまでは、それも投資だ、自分の代では手をかけるだけでも、息子が大きくなった頃にはきっと、なんて思ってやってきてくれたわけだ。

 それが今こんなことになってて、県の方針だったとうはいえ、この俺が声かけたことが嘘になっちまったのか? 「目算通りに行きませんでした」ってことにしちまっていいのか? っていう悩みがあるわけよ。だからこそなんとかしなくっちゃ、この森林組合で働くこれからの時間、その解決を見いだすためにがんばるよ、俺は。

 



 
   山を守れっていうけど、俺に言わせれば、人の手がかかった山は使うことが守ることなんだ、と。しかも使うったら、「大トロ」だけじゃなくってまるごと使うこと考えろよ、って。トロってほら、あのまぐろの、ね。大トロってのは天然秋田杉みたいな高級な天井板とかな。今はもうほとんどなくなってきてるけどな。トロが住宅部材のいいやつ、節のない化粧材ね。モクネットが使うのはまあ、赤身ぐらいかな、節ばっかだもんな、あそこが持ってく材は。でもそれ以外にもアラとか骨とかいっぱいあるわけでしょう。それが間伐材、枝、樹皮だろ、ぜーんぶ、まるごと使うこと考えてよ、ってことだよ。

 安いからどう、高いからどう、前例がどう、経済効率がどう、って言ってる場合じゃないよ。ほんとこのまんまじゃ山、ダメになるよ。


山はまるごと、でね!

 
 
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(c)モクネット事業協同組合   最終更新日:2001.03.31
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