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がんばれ、鍛冶屋の安保さん!
二ツ井町における木質エネルギー利用計画
安保式 薪&ペレット両用ストーブに期待
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安保式 薪&ペレット両用ストーブに期待
  二ツ井町でたった一軒の鍛冶屋「安保製作所」
 
山仕事の道具。これらは全て
村の鍛冶屋がつくっていた。
  木質ペレット製造のための集積・製造ラインができたとしても、一般家庭に普及しなければエネルギーの「地産地消(地元でつくり、地元で消費すること)」は進まない。「薪もペレットも使えるストーブを試作してよ」モクネット事業協同組合の加藤は、二ツ井にたった一軒の鍛冶屋である安保製作所に寄るたび、そう言っている。

かつて豊富な天然秋田杉に恵まれていた二ツ井には、山仕事の道具をつくる鍛冶屋がたくさんとあったが、今残っているのは、この安保製作所だけ。林業がほとんど機械化されてしまったとはいえ、手に持っての作業である下草刈りや蔓切りに使う鎌や山刀や鉈は、今でも使われる。ホームセンターで売られている大量生産品と、鍛冶屋が鋼から打ち出したものとではまったく切れ味が違うから、注文は来る。
 
 
  マットな質感が美しい安保式薪ストーブ。1基34000円(税別)
問い合わせ:
  安保製作所 0185-73-2884
  ここに加藤がペレットストーブの話をもちかけるのには、理由がある。安保製作所を営む安保さん親子が二代揃って工夫好きなのを、よく知っているからだ。安保製作所には、ふつうの鍛冶屋では作らない、隠れた人気商品がある。それは、家庭用の「安保式薪ストーブ」。一基34,000円と安価で、20年はもつ。鍛冶屋の仕事だから、フォルムも美しい。少なくなったとはいえ、まだ、冬には自分でもっている林や近くの山から出る薪を炊く家もある二ツ井や周辺地域では、需要はある。また、昔はどこにでもあったのに、今、探して取り寄せるとなると高い外国製のものばかりが目立つ薪ストーブ、安保さんのストーブの噂を聞きつけて注文してくる遠方のお客も多い。  
     
  「こんべまわるやつあ・・・」
     
  旧型の安保式薪ストーブ。ボンベの再利用だということがよくわかる。
  この薪ストーブ、実は、LPGガスのボンベを再利用したもの。たしかに、ガスの抜けたからっぽのボンベは廃棄されている。それを磨き、断面を切って薪ストーブにしている。これを安保さんのお父さんが思いついたのが、昭和47年、二ツ井の大洪水の時だったという。「ボンベがどんぶらこっこと流れてきてね」・・・もったいないものだ、とながめていて、「よし、これを使ってやろう」と閃いたのだそうだ。「こんべまわるやつあ、なにかと工夫を考えるよ」と、お父さんは笑いながら言う。

木質ペレットが話題になる以前から、薪炭利用者をハード面で支えてきている「木質エネルギー利用、かげの功労者」である安保鍛冶屋さんに、これからの環境重視・地域資源循環型社会の時代に向けて、もう一工夫を期待したいところだ。「どうですか?」と安保さんの息子さんに訊いてみら、こんな返事がかえってきた。
 
     
  薪もペレットも焚けるストーブをぜひつくってください!
 
  スウェーデン製ペレットストーブの内部構造
  「ペレットストーブはフィーダーやサーモスタットがついた電気製品だから高くなっているんです。そういうものなしに、ただ燃料が薪からペレットに代わっても支障なく焚けるという程度のものならば、そんなに高くなくできるんでねえですか? 実際、このあたりなら、ペレット専用というよりは、今でも多少は使っている薪と併用できる方が現実的だしね。 ま、うちでつくるとしたら電気製品ではねえべしな」そうか。簡単なしくみのものでいいんだったら・・・

お父さんが息子さんの話に加わってくる。「ペレットは薪より石炭より燃えるもとがこまかいから、燃料を補給しつつ中に十分に空気を送り込む仕組みを考えることだすな。そこが結構工夫がいるところです。ペレットの袋からシャベルかなにかで補給することを考えたら、薪ストーブのような横型でなく、石炭ストーブのようなタテ型・だるま型にするんでしょうな。」

しかし、開発には工夫ばかりでなく、時間や労力もかかりし、リスクもある。そこを応援する「もう一押し」があれば、きっと安保鍛冶屋は手軽に買える、国内初の薪&ペレット両用ストーブ製造所になるだろう。工夫好きの親子の会話に、そんな手応えを感じた。ある資源をうまく組み合わせて使える、コンパクトで簡単なものを。是非、大手メーカーより先に手がけてほしいものだ。
 
   
安保製作所の仕事場の梁には「村の鍛冶屋」の歌詞が書かれた額がかざってある
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(c)モクネット事業協同組合   最終更新日:2002.03.01
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