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出典:E.クック『産業とエネルギー』「別冊サイエンス」特集 エネルギー新資源の探求 日本経済新聞社 1974年 |
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人がまず手にしたエネルギー源は、主として「木」だった。火をおこすために薪を集める、もう一歩進んで、木を炭に加工して貯蔵する。森林に恵まれない地域では、牛糞を乾かした燃料や、植物から採る油なども用いられた。木は切っても植えれば何年かで生えてくるし、牛は生きている限り糞をする。どちらも再生可能なエネルギーだった。
有史以来の再生可能エネルギーが、再生不可能な化石燃料である石炭に代替されはじめたのは、イギリスを中心とした産業革命の頃。これを「第一次エネルギー革命」と呼ぶ。化石燃料は、地球上に人類が登場するずっと前に生きていた動物や植物の死骸である。地中深く眠っているので、掘り出すのが大変だが、薪炭や糞などとくらべるとエネルギー効率がはるかに高く、貯蔵性もよいので、工業化による大量のエネルギー需要に応えるエネルギー源として、またたく間に世界中で使われるようになった。世界的に石炭が薪炭をしのいで第一位のエネルギー源となったのは、1890年、日本は1901年のことである。
同じ化石燃料でも、その比重が石炭から石油に移ったことをさして「第二次エネルギー革命」という。世界的には1967年、日本では1961年に石油の消費が石炭を上回るようになる。ところが、それから20年もたたない1973年には早くも、「オイルショック」とよばれる石油危機が起きている。これは、第四次中東戦争をきっかけにアラブ石油輸出国が原油の生産・輸出を減らす戦略をとったために原油価格が4倍にはねあがり、世界経済に深刻な影響をあたえたことをさしていて、同じような情況がイラン革命をきっかけに1978年にも起きている。有史以来、手近にある再生可能資源をエネルギー源としていたのが、限られたところにしかない石炭や石油に頼るようになり、世界はエネルギー源というパイをめぐって複雑な情況を呈するひとつのテーブルにつかざるを得なくなったのである。
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